☆★最新の更新内容★☆

なお、批評やQ&Aの追加分は、追加後に「並べ替え」を■■
しますので、追加分が必ずしも最後尾になっているとは■■■
限りません。  そのため、更新部分を閲覧しようとすれば、
「更新履歴」にてチェックの上、追加分を閲覧しなくては■■
なりませんでした。  その様な手間を強いるのは、■■■■
折角チェックに訪れて下さる貴兄(現在若干名のみ(笑))に
失礼かと存じ、このページを設定致しました。■■■■■■■

過去に更新した物の中で、新規分を中心に改変分を■■■■■
掲載しています。  古い物から順に削除いたします。■■■



2008年03月09日 クルマ関係Q&A
ヘルパースプリングを使って伸び側ストロークを増やすセッティングは正しいのか?
☆2008.03.09 すみません。 考察が一つ抜け落ちていた所為で結論を間違えていました。 お詫びして訂正します
【問】 ダンパーのロッドにタイラップを巻きつけておき、走行後に確認してみたら、縮み側ストロークにか なりの余裕がありました。  車高調が全高調整式なので、この余裕を伸び側に回してやることに拠っ て、旋回中のイン側タイヤの接地性を向上させたいのですが。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【答】 発想は間違っていません。
 しかし、今使っているスプリングのまま、全高調整式車高調を弄って、縮み側ストロークを減らして伸び 側ストロークを増やすとバネが遊んでしまいます。

 …と、文章で説明されても分からないと思いますので、ちょっと図解してみましょう。

  ← エクセルのセルに引く罫線を使って簡易図を描きます。

 

 というワケで、高荷重時の伸び側ストロークを詰めてやります。

 

 昔は車高調そのものが違法だったので、全高調整式ではない普通の車高調で車高短にした時に起こ るバネの遊びでも放ったらかしでしたが、今はそうは行きません。
 違法・合法という話を別にしても、バネが遊んでいるとバウンド時などにシートからバネがズレたりして 危険です。
 どうにかして、遊びを誤魔化さなくてはなりません。

 

 折角伸び側のストロークを増やしても、ヘナヘナのヘルパースプリングでは、旋回中イン側タイヤの接 地性向上は望めないようです。

 では、硬くて長いヘルパースプリングを使えばイイのでしょうか?

 

 あれれ。  更に車高ダウンしてしまいました(汗)。

  ← フェンダーやインナーと干渉してしまうかも?

 と言っても車高調ですから、車高の調整はお手の物。
 ちゃんと調整すれば無問題のハズ。
 全高調整式車高調の場合、ロワシートの上下とブラケットの上下で車高が変えれるのだけど…

 

 

 どちらでも」イイように思えますが…違います。

 

 なんのために、バネレートの高いヘルパースプリングを使ったかと言えば、余裕のある縮み側ストロー クを伸び側へ回してやる為。

 どちらの方がより多く伸び側へ回せているか?というと、ブラケットを下げて帳尻合わせした方。

 つまり、全高式車高調で伸びストロークを増やそうとして使ったヘルパースプリング の辻褄合わせをするなら、ブラケットを下げるのが正解なんです。



 …というわけで、
 (1)全高調整式車高調は、余裕のある縮み側ストロークを伸び側へ活用することができる。
 (2)が、縮み側ストロークを伸び側へ回すためには、ヘルパースプリングを介さなくてはならない。
 (3)しかし、へなへなのヘルパースプリングでは折角増やした伸び側ストロークに意味がない。
 (4)そこで、使うならある程度バネレートの高いヘルパースプリングになる。
 (5)ところが、直線上で繋がった二つのバネA、Bの合計レートCは、1/C=1/A+1/Bという式によって求 められるため、ある程度バネレートの高いヘルパースプリングを使うと、メインスプリングとの合計レート が非常に低くなってしまう。
 (6)ヘルパーとメインの合計レートが低くなると1G接地時の車高が低くなってしまうため、バネにプリロ ードを掛けるか、あるいは、ブラケットを下げて辻褄を合わせなくてはならない。
 (7)同じ辻褄合わせなら、プリロードよりもブラケット調整の方が伸び側ストロークが多い。
 (8)つまり、伸び側ストローク確保の目的で使ったヘルパースプリングの辻褄合わせをするなら、ブラ ケット調整で行うべし。
 が結論として得られました。



 ところで、そもそも「伸び側ストロークを増やすためにヘルパースプリングを使う」と いうセッテイングは正しいのでしょうか?


 今更説明するまでも無く、サスペンションスプリングは荷重を受けて縮みます。
 陥没にタイヤが落ちたり、路面の障害物を踏んだりしてサスペンションスプリングが伸縮するのも、あく まで荷重の変化に対して伸縮しているだけに過ぎません。
 ということは、ジャッキアップしてタイヤを宙に浮かした時にサスペンションスプリングが自由長まで伸び ることができるなら、旋回中のサスペンションに僅かでも荷重が掛かっていれば、サスペンションスプリン グは自由長よりも縮んでいます。
 その状態に対して、ダンパーの縮み代を伸び側に回しても何の意味もありません。  旋回姿勢は変 わらないのです。
 「ダンパーの縮み代を伸び側に回したらこうなるんじゃないかな?」と抱いているイメージ、すなわち、旋 回中のイン側サスペンションが「ぐぐ〜っ」と伸びた姿勢を作り出すためには、サスペンションスプリング のバネレートを下げるしかないのです。
 サスペンションスプリングのバネレートを下げれば、同じ荷重変化に対するサスペンションのストローク 量が増えます。
 そうすると、旋回中のイン側サスペンションが「ぐぐ〜っ」と伸びた姿勢が出来上がります。
 ただし…それは単に同じ水平Gに対して姿勢変化量が増えているだけに過ぎないのですが…

 というわけで、旋回中のイン側サスペンションが「ぐぐ〜っ」と伸びた姿勢を作るためには、サスペンショ ンスプリングのバネレートを下げれば良いのだと解りました。


 さて、ではここでヘルパースプリングを装着すると旋回姿勢が変化する(イン側サスペンションが「ぐぐ 〜っ」と伸びた姿勢になる)理屈について説明しましょう。

 既に触れている通り、直線上で繋がった二つのバネA、Bの合計レートCは、1/C=1/A+1/Bという式に よって求められます。
 そのため、1G荷重で線間密着しないようなヘルパースプリングを用いた場合は、伸び側の動きに於い て、極めてレートの低いメインスプリングのみを使ったのと同じ状態になります。
 だから、ここでヘルパースプリングを装着すると旋回姿勢が変化する(イン側サスペンションが「ぐぐ〜 っ」と伸びた姿勢になる)のです。

 全高調整式車高調の縮み側ストロークの余裕を伸び側に回した結果として、旋回姿勢が変化した(イ ン側サスペンションが「ぐぐ〜っ」と伸びた姿勢になった)ワケではありません。
 あくまで、ヘルパースプリングを介したために、合計バネレートが柔らかくなってしまい、その結果とし て、旋回姿勢が変化した(イン側サスペンションが「ぐぐ〜っ」と伸びた姿勢になった)に過ぎません。


 では、バネレートを下げる目的でヘルパースプリングを使うのは正しい選択なのでしょうか?
 しつこく式を書きますが、直線上で繋がった二つのバネA、Bの合計レートCは、1/C=1/A+1/B です。
 適当な数字を代入してみれば分かりますが、この合計レートはメインスプリングの数字とは掛け離れた 低レートになります。

┌────────┬──────┰────────┐
│メインスプリング│ヘルパー  ┃ 合  計   │
│のバネレート  │のバネレート┃ バネレート  │
├────────┼──────╂────────┤
│        │1kg/mm┃0.8kg/mm│
│        ├──────╂────────┤
│ 4kg/mm │2kg/mm┃1.3kg/mm│
│        ├──────╂────────┤
│        │3kg/mm┃1.7kg/mm│
├────────┼──────╂────────┤
│        │1kg/mm┃0.9kg/mm│
│        ├──────╂────────┤
│ 6kg/mm │2kg/mm┃1.5kg/mm│
│        ├──────╂────────┤
│        │3kg/mm┃2.0kg/mm│
├────────┼──────╂────────┤
│        │1kg/mm┃0.9kg/mm│
│        ├──────╂────────┤
│ 8kg/mm │2kg/mm┃1.6kg/mm│
│        ├──────╂────────┤
│        │3kg/mm┃2.2kg/mm│
└────────┴──────┸────────┘

 バネレートがこんなに下がってしまうと、旋回中に大きくロールした際に2つの現象が生じます。

 ひとつは、イン側前後サスペンションの合計バネレートが下がるために、イン側の伸びストロークが大 きくなってしまうということ。
 一方、縮み側は、ヘルパーが線間密着していればメインのバネレートですから、荷重増に対して 少しし か縮みません。 
 そうすると、旋回中あるいは加減速中の重心が高くなってしまいます。 
 再三述べている通り、荷重移動量は重心高さに依存していますので、重心が高くなると同じ水平Gでも 荷重移動量が多くなります。 
 ただし、前輪側の荷重移動量も後輪側の荷重移動量も同率で増えることになりますので、旋回速度限 界は若干下がりますが、ヨー角速度への影響は大きくありません。


 ヨー角速度への影響が大きいのは、もう一つの現象です。

 バネが伸びて、イン側のバネレートがメイン+ヘルパーの合計になると、そのロール剛性は下がりま す。

 たとえば、リアのバネが伸びて、リアイン側のバネレートがメイン+ヘルパーの合計になると、リアのロ ール剛性が下がります。

 これは、フロントでも同じ。

 前後ともにヘルパースプリングを使用していて、旋回中に前後ともイン側のバネレートがメイン+ヘル パーの合計になった場合は、よりレートの下がった方のロール剛性が(相対比で)下がります。

 そうするとどうなるでしょうか?

 拙稿「【荷重移動】荷重移動についてもう少しだけ詳しい話 006 『リアだけが異常に柔らかいセッティン グに生じる現象』」や同「スタビライザーの強化」で解説させて頂いた通り、前後でロール剛性比に違いが 生じると、よりロール剛性の強い側へ荷重移動量が偏ります。

 つまり、旋回中に前後のロール剛性比が変化した場合、
  イン側のバネレートが下がると、ロール剛性が下がる
    ⇒ イン側バネレートの下がらなかった方へ荷重移動量が偏る
 ・・・のです。

 ということは、リアのサスペンションスプリングにヘルパースプリングを併用した場合は、
  ロール量が大きくなる
   ⇒ リアのイン側ばねレートが下がる
    ⇒ リアのロール剛性が下がる
     ⇒ フロントへ荷重移動量が偏る
     ⇒ 前左右輪の合計摩擦力が下がる
      ⇒ アンダーステア傾向に拍車
 ・・・という理屈で大きくロールした際にスピンし難くなるのです。

 意外でした。

 チューニングショップのデモカーにありがちな、リアサスペンションのスプリングに高レートなヘルパース プリングを併用するというセッティングは、「イン側サスペンションを伸ばして接地圧を稼ぐ」のではなく、 「前後のロール剛性比を変化させてスピンし難くする」のが目的だったのです。

 ただし、このセッティングは、ヘルパーが線間密着から解き放たれた瞬間に、ステア特性が急激に変 化することになります。
 当然、旋回途中からの強アンダーを招いて、アウト側のタイヤバリアーにミサイルアタックする結末に 至りますから、データの蓄積がないシロウトが真似をするのは、危険かも知れません。
 同じように「ロール量が増えるとアンダーステア傾向が強まる」というセッティングでも、バリアブルレート のスプリング1本なら「ロール量が増えるに従って徐々にアンダーステア傾向が強まる」ので、遥かに扱 い易くなります。
 同じ目的でリアスプリングに手を入れるなら、個人的には1本物のバリアブルレートの方を勧めます。
 まぁ、バリアブルレートだと選択肢が狭いので、濃密にセッティングを煮詰めることが出来ませんケド (逆に言うと、ホンの僅かにレートの違うバネを何度も何度も取替えないのであれば、バリアブルレートに デメリットは殆どありません)。

 他にもヘルパースプリングの効能はあるので、簡単に触れておきましょう。
 一つは【固有振動数の問題】です。 
 押し縮めたバネが開放された後、ビヨンビヨンと振動しますがこの振動数はそれぞれバネによって異な ります。 
 この振動数がクルマの動きと同調した場合、乗り心地が大きく損なわれるばかりでなく、タイヤの接地 圧力が激しく変動してしまい走行性能に悪影響を及ぼします。 
 そこで、たとえば上述のように、固有振動数の不適切な6kg/mmのスプリングの代わりに9kg/mmのヘ ルパースプリングと18kg/mmのメインスプリングを使えば固有振動数をズラすことができます。 


 なお、以上の話は、我々のような走り屋や速度競技をする者にとっての話で、街乗り仕様のクルマの 場合は、違う効果を期待することができます。 

 それは、「 [ 乗り心地の良さ ] と [ 車高短 ] の両立」です
 普通、車高を下げると1G接地状態からのサスペンションの縮み代が少なくなりますから、硬いスプリン グを使ってバネの縮み量を減らさなくてはなりません。
 そうしないと、いとも簡単にサスペンションが底突きしてしまうからです。
 ところが、硬いスプリングを使うと乗り心地が極端に悪化します。
 見た目の格好良さだけを目的にして車高を落としているようなユーザーに、姿勢変化を抑える必要など ありませんから、走行性能と引き換えに乗り心地を犠牲にすることは容認し難いことでしょう。
 ところが、ある程度硬いヘルパースプリングを使うことで、「 [ 乗り心地の良さ ] と [ 車高短 ] の両立」 が可能になります。
 通常の運転でストロークする領域を [ ヘルパースプリングとメインスプリングの合計レート ] で柔らかく すれば乗り心地が向上出来ますし、なおかつ、サスペンションが底突きする手前でヘルパースプリング が線間密着するようにセッティングすれば、路面の凹凸に因るサスペンションの底突きも回避できます。
 もちろん、スポーツ走行に向いたセッティングではありませんので、我々には無縁なセッティングですけ どね。
2007年12月16日 クルマ関係Q&A
 理想路面では、サスなしが一番グリップが良い?
☆随分以前に書いたモノです。UPしたつもりがしていなかったみたいですので。遅れ馳せながらUPしました。

【問】「理想路面では、サスなしが一番グリップが良いというのは既に結論が出ている」のだそうです。
 本当ですか?
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 
【答】ウソです。
 「理想路面では、サスなしが一番グリップが良い」のだと仮定しましょう。
 そうすると、当然のことですが、「理想路面に近くなれば近くなるほど、ハイレートなサスペンションスプ リングの方がグリップが良くなる」という理屈になります。
 では質問。

 DRYとWET、理想路面に近いのはどっち?

 摩擦係数はモチロンDRYの方が高いのですが、理想路面の理想が意味するのはタイヤの荷重変化 が起こらない完全平滑であるということ。
 DRYとWETなら、水が路面の凹凸や小さなアンジュレーションを埋めてクッションの役割を果たすた め、タイヤの荷重変化が小さくなるWETの方が理想に近いことになります。

 ところが、実際はDRY路面用のセッティングの方がサスペンションスプリングのレートは高くなります。

 何故?

 実はタイヤは横Gで捩れて縒れるため、サス無しだと旋回時の接地面積が最大にならないんです。
 定常円旋回のように片方向にしか曲がらないのであれば、サス無しで接地面積を最大にすることも可 能なんですけどね。
 右に左に曲がらなければならないのであれば、サスペンションのアライメント変化を有効に活用する「ロ ールさせて曲がる」サスペンションセッティングの方が速いのです。

 詳しくはコチラ → 【荷重移動】荷重移動についてもう少しだけ詳しい話 002 「ロール」と「曲がる」  http://cabad806.web.infoseek.co.jp/page240.html#lcn003
2007年12月16日 クルマ関係Q&A
 リアワイド
☆随分以前に書いたモノです。UPしたつもりがしていなかったみたいですので。遅れ馳せながらUPしました。

【問】 後輪だけ(あるいは前輪だけ)をワイドトレッド化するとクルマのステア特性はどうなるのでしょう か?
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 
【答】 後輪だけをワイドトレッド化すればアンダーステア傾向に拍車がかかり、前輪だけをワイドトレッド 化すればアンダーステア傾向が弱まります。
 ハイパワ−な後輪駆動車において、後輪をワイドトレッド化することは、タイヤを太くする場合に生じる 走行抵抗増を避けつつ、旋回加速時のスピンモード移行を避ける有効な手段なのです。

 では、何故、後輪だけをワイドトレッド化すればアンダーステア傾向に拍車がかかり、前輪だけをワイド トレッド化すればアンダーステア傾向が弱まるのでしょうか?

 その説明のために、既に書かれた当サイトの記事を参照しつつワイドトレッドのもたらす効果について 理解してください。
 (いちいち個々に解説するのは大変なので、リンクを辿って記事をご参照ください)

(1)後輪をワイド化したのであれば後輪(前輪をワイド化したのであれば前輪)の荷重移動量が減る
(2)レバー比が変わるため、ノーマルトレッドの時とサスペンションスプリングが同じであれば、ホイール レートが下がる
(3)アームが長くなるため、タイヤのストローク量が同じでもアライメント変化が少ない。


 さて、これらがどういう効果を示すかというと・・・


■後輪をワイド化した場合■

(1)ワイド化した後輪の荷重移動量が減る
     ↓
   ワイド化した後輪左右タイヤの合計グリップ力が増える
     ↓
   アンダーステア傾向増

(2)ワイド化した後輪のホイールレートが下がる
     ↓
   車輌全体に生じた荷重移動が前輪に偏る 
     ↓
   ワイド化していない前輪左右タイヤの合計グリップ力が下がり、ワイド化した後輪左右タイヤの合計 グリップ力が増える
     ↓
   アンダーステア傾向増

(3)ワイド化した後輪のアライメント変化が抑えられる
     │
     ├────────────────┐
     ↓                ↓
  アライメント変化が        アライメント変化が
  タイヤのグリップ力を       タイヤのグリップ力を
  引き出す方へ変化         引き出せない方へ変化
     ↓                ↓
  ワイド化した後輪左右タイヤの   ワイド化した後輪の
  合計グリップ力が増える      合計グリップ力が減る
     ↓                ↓
  アンダーステア傾向増       アンダーステア傾向減

 …となります。

 自動車メーカーが行うワイドトレッド化する場合は、サスペンションスプリングも替えますので(2)の効 果はなく、(1)と(3)。
 ワイドトレッド・スペーサーなどの装着に拠る効果は(1)(2)(3)。

 (3)が微妙なように見えますが、基本的に市販車は室内容積とサスペンションアーム長がトレードオフ の関係にあるため、往々にしてアームの長さが十分ではありません。
 ワイドトレッド化によって見掛け上のアーム長さが延長されれば、基本的にアライメント変化はタイヤの グリップ力を引き出す方へ変化すると考えてイイでしょう。

 結論、リアトレッドのワイド化はアンダーステア傾向が増すので、オーバーステア対策に効く。



 ちなみに余談かも知れませんが

 ■前輪をワイド化した場合■

(1)ワイド化した前輪の荷重移動量が減る
     ↓
   ワイド化した前輪左右タイヤの合計グリップ力が増える
     ↓
   アンダーステア傾向減

(2)ワイド化した前輪のホイールレートが下がる
     ↓
   車輌全体に生じた荷重移動が後輪に偏る
     ↓
   ワイド化していない後輪左右タイヤの合計グリップ力が下がり、ワイド化した前輪左右タイヤの合計 グリップ力が増える
     ↓
   アンダーステア傾向減

(3)ワイド化した前輪のアライメント変化が抑えられる
     │
     ├────────────────┐
     ↓                ↓
  アライメント変化が        アライメント変化が
  タイヤのグリップ力を       タイヤのグリップ力を
  引き出す方へ変化         引き出せない方へ変化
     ↓                ↓
  ワイド化した前輪左右タイヤの   ワイド化した前輪の
  合計グリップ力が増える      合計グリップ力が減る
     ↓                ↓
  アンダーステア傾向減       アンダーステア傾向増

 …というワケで、フロントトレッドのワイド化はアンダーステア傾向が減るので、アンダーステア対策に効 く…のですが…FFでもアンダーステアを抑え込んでしまうと、コーナー進入時の旋回制動でスピンモード に入るなど結構シビアな特性になってしまうので、あまり一般的なセッティングではないでしょう。  ジム カーナだと使えそうですけどね。
2007年12月10日 クルマ関係Q&A
 アーシング
【問】アーシングって効果あるって絶対。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
【答】うんうん。

 WGIPの史実派 vs 歴史見直し派の言い争いにも匹敵するグダグダに陥るのが、アーシングの有効派  vs プラセボ派論争のお約束でした。

 少なくとも理論的考証に立つ限り「効果が出る道理が無い」という結論にしか至りません。
 アーシングしたからといって、各種センサの精度が上がって燃調が良くなるワケでもありませんし、エア フロやスロットルポジションの数値が変わるワケでもありません。
 点火プラグだって、スタンガンと同じでバチバチ火花を飛ばしていても電流量は極僅かだから、アーシ ングで火花がより強くなるとは到底思えない...
 ですから、まともに理論的思考できる人は、「それをプラセボっつーんだ」と上から見下して「〜終了〜」 だったんです。
 もちろん、私もプラセボ派でした※01

 と こ ろ が。

 本家で例に依って例の如くな喧々囂々なレスの中に、興味を惹く内容のアドレスが貼られていたんで す。

 http://autoexe.co.jp/products/EARTHING/kotowari.html

 そのwebサイトに書かれている記事自体は、読まなくても構わないのですが、(全体の上から3分の2くら いのトコロに)貼られているグラフに注目して欲しいんです。

 スパークプラグに掛かる電圧の変化が、アーシングの有りと無しで異なっています。
 どちらも、極短い時間に強い電圧が掛かった後、しばらくの間プラスの電圧を維持して、最終的に電圧 がドロップしています。
 この「極短い時間に掛かる強い電圧が生む火花」を《容量成分》、「しばらくの間続く電圧が生む火花」 を《誘導成分》と呼んでいます。
 つまり、このグラフから
┌───────┬────┬────┐
│       │容量成分│誘導成分│
├───────┼────┼────┤
│アーシングなし│  大  │  短  │
├───────┼────┼────┤
│アーシングあり│  小  │  長  │
└───────┴────┴────┘
 という表が読み取れるワケです。
 実は、コレ、大昔に流行った【ガンスパーク】という商品を取り付けた際に生じる変化と同じなんです。
 【ガンスパーク】の構造は、単純にコンデンサーであって、容量成分を間引いて誘導成分を多くする仕 組みでした。

 アーシングにしろ、【ガンスパーク】にしろ、[ 容量成分=小 ] & [ 誘導成分=長 ] という成分比の火花に なると何が変わるのでしょうか?
 プラグ温度が低い領域での失火が抑えられるんです。

 結論を先に書いてしまいましたが、理屈について簡単に説明しておきましょう。
 プラグに昇圧された2次電圧が掛かるとプラグのギャップ間にある作動ガスが+イオン化され、電極間 の絶縁が失われて電流が疾ります。
 これによって混合気が活性化され、プラズマの火炎核が生成されます。
 火炎核が成長することで燃焼室全体へ炎が燃え広がって行くのですが、極小さな「火炎核」が「燃え盛 る炎」へ成長するまでの間に厄介な壁が存在します。
 それは、プラグの電極です。
 高負荷高回転で(プレイグニッションを起こさない程度に)十分に加熱された電極は問題ないのです が、低負荷中回転で燻り気味の電極に火炎核が触れると、熱を奪われて失火してしまうことがあるんで す。
 誘導成分の持続時間が長いと、この失火しそうになった火炎核にエネルギーを与えて消え難くなるん です。

 逆に言えば、高負荷高回転の場合は、成長中の火炎核がプラグの電極に触れても失火する可能性は 低く、仮に失火したとしても誘導成分でチンタラ加熱している間に最適な点火タイミングを逸してしまいま す。(スパークプラグの火花持続時間は0.0005〜0.002秒。 一方6000rpmで回るエンジンが1行程に要する時間は0.005秒)
 ですから、高負荷高回転下においては、容量成分をより多くして確実に火炎核を生成する方が有利で す。

 もうおわかりでしょう。
 アーシングを施すことによって、火花の成分比がプラグキャップにコンデンサーを加えたのと同じになる のであれば、街乗りの常用域において失火が抑えられ、僅かばかりのトルクUPが起こる可能性は十分 に考えられるのです。

 た だ し。

 メリットが【ガンスパーク】と同じならデメリットも【ガンスパーク】と同じです。
 容量成分を間引いて誘導成分を増やしているのですから、より大きな容量成分が要求される領域 において、アーシングなし状態よりも不利になります。 
※:具体的に言えば、プラグが十分に熱せられている時、すなわち、高速巡航やサーキット・峠などです。
 つまり、アーシングは、少なくともサーキットや峠でメリットがありません。



 - - - 最後に - - -

 非常に面白く、かつ、意外な結論に至りました。
 とりあえず、理論的に全く効果が無いというワケではなさそうです。
 ただ、コンデンサ的な作用を持たせたければ、プラグコードに細工すれば済むコトですので、対費用効 果としては余り美味しいチューニングとは思えません。
 また、我々走り屋が施す理由はないようです。

 でも...やっぱり、これで論争に終止符...ってワケには行かないんだろうなぁ。
 「民間人殺害のシーンは便意兵掃討戦」って説明でも史実派がビタ1ミリ歩み寄らなかった南京虐殺捏 造と同じように...(悲)

 ■CAUTION■
 上述の記事は、あくまでアーシングを施すことによって要求電圧が
 http://autoexe.co.jp/products/EARTHING/kotowari.html
 に貼られたグラフのように変化することが大前提になっています。
 もし、要求電圧に変化がないのであれば、プラセボ派の旧来の主張「理論的に全く効果が無い」になり ます。
 その点はお含み置き下さいますようお願いします。



※01:アーシングに限りませんが、この手の商品の有効派は、必ずと言って良いほど「試してから無効と言え」と主張しますが、 実際のところ私は、アーシングもトルマリンもマグネットも使ったことがあります。
 もちろん、体感は出来ませんでした。 アーシングに関しては事故の際に危険なので外してあります。



☆アーシング関連参考サイト☆
■アーシングの謎
http://www.geocities.co.jp/MotorCity/2153/page036.html
■アース強化の謎
http://www.asahi-net.or.jp/~vs6n-MRYM/jikkenn/earth/earth.html
(ここの実験では要求電圧に変化なし)
■Project-E
http://www.cyborg.ne.jp/~hide-s/Pro-E/PRO-E1.htm
 → 9.点火波形の測定
  http://www.cyborg.ne.jp/~hide-s/Pro-E/WAVE-1.htm
  (ここの実験では誘導成分の伸びが見られる・・・のかな?)
2007年11月18日 クルマ関係Q&A
 ロングホイールベース VS ショートホイールベース に追加
 さて、ロングホイールベース vs ショートホイールベースの比較でロングホイールベースの優位性が分 かったのですが、見方を変えるとロングホイールベースとシュートホイールベースはタックインという現象 の起こり易さに違いがあることが分かります。

 ドライビング理論の目次(http://cabad806.web.infoseek.co.jp/page224.html)から拙稿【(12) タックイン について (FFはリアが軽くてスピンし易い?)】を御覧頂ければお解りの通り、タックインという現象は、 車体の横滑り角によって生じます(FF車の場合、重心の慣性方向が前輪軸中心よりもIN側を向いている 時にエンジンブレーキが掛かるとタックインが発生)。
 ということは、同じ旋回状態でも車体の横滑り角が小さければ、タックインは起こり難いことになります。

 そこで同じ旋回状態をロングホイールベースとショートホイールベースで比べてみましょう。

 

 時計方向に旋回しているショートホイールベース車輌をその状態のまま、クルマをロングホイールベー ス化(前後輪とも重心からの距離を2倍)すると、フロントタイヤの横滑り角が減って、リアタイヤの横滑り 角が増えます。
 図ではロングホイールベース化に依って、 [ フロントタイヤの横滑り角 ] < [ リアタイヤの横滑り角 ] と なっており、このままでは反時計方向にヨー角運動してしまい、時計方向の旋回が成立しません。

 そこで、フロントタイヤとリアタイヤの横滑り角の関係をショートホイールベース時に近くしてやりましょ う。
 そうすると・・・

 

 ↑こうなります。

 ドライバーから見た旋回中心は後方へ移動し、重心の慣性方向と車体の横滑り角がほぼ同じ方向を 向いています(厳密には、重心の慣性方向が前輪軸中心よりも僅かにOUT側を向いている)。
 ここから前輪に強いエンジンブレーキを掛けても、エンジンブレーキと慣性重量の間にヨー角運動を加 速させる力は働きません。

 つまり、FF車のアンダーステア対策として、ロングホイールベース化が極めて有効な設計手段なので す。
 (ロングホイールベース化に伴って荷重移動量が減少するので尚更です)
2007年10月14日 クルマ関係Q&A
 ハイオク ⇔ レギュラー ???
【問】ハイオク仕様のエンジンにレギュラーガソリンを入れたり、逆にレギュラー仕様のエンジンにハイオ クガソリンを入れたりしたらどうなるの?
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【答】ハイオク仕様のエンジンもレギュラー仕様のエンジンも、共に2種類あると考えましょう。

 まず、ハイオク指定のガソリンエンジン。
 A:最近のエンジンのようにノックセンサを装備しているハイオク指定のモノ。
 B:ノックセンサの無い昔のエンジンで、元々ハイオク仕様であったモノ、および圧縮比UPなどの改造 でハイオク仕様になったモノ。 および一部の最新のエンジンでハイオク専用のモノ。

 次に、レギュラー指定のガソリンエンジン。
 C:最近のエンジンのようにノックセンサを装備しているレギュラー指定のモノ。
 D:低圧縮な昔のエンジンでレギュラー指定のモノや、バイクのエンジンのように(シリンダ径が小さい ので)要求オクタン価が小さくレギュラー指定のモノ。 いずれもノックセンサ無し。

 ハイオク仕様のエンジンにレギュラーを入れるのでも、AとBは違います。 同様に、レギュラー仕様の エンジンにハイオクを入れるのでも、CとDは違います。
 これらは別々に考証されなくてはなりません。

 [ A ] ノックセンサを装備しているハイオク仕様のガソリンエンジンへ、
    レギュラーガソリンを入れた場合。
  → ノックセンサが装備されていると、発生したノッキングに対して点火時期を遅らせたり、
    燃料を増量したりしてノッキングの発生を抑えるため、
    直ちにエンジンが損傷するようなことはありません。
    ただし、点火時期を遅らせるとピストンに掛かる有効平均圧力が小さくなって出力が落ちます。
    それに伴って燃焼温度が下がるため、CO,HC,NOxの発生量が変化しますので、
    三元触媒が上手く稼動できなくなり、排気ガスが汚れてしまいます。
    また、火炎伝播に対して燃焼室容積の広がり方が大きくなるため、
    燃焼が不完全になりやすく、スラッジなどの原因となる余計な燃焼生成物の発生を
    促すことになります。
    ノック回避に燃料増量が行われる場合も、排気ガスが汚れ、燃焼生成物が増え、
    (当然)燃費が悪化してしまいます。

 [ B ] ノックセンサを装備していないハイオク仕様のガソリンエンジンへ、
    レギュラーガソリンを入れた場合。
  → ノックセンサが装備されていないと、発生したノッキングに対して何ら対策されませんので、
    負荷に対して激しいノッキングを発生させてしまいます。
    稼動状況如何に拠っては容易にエンジンが損傷し、熔損したピストンによって
    エンジンが焼き付いてしまうこともあります。
    また、ノックセンサを装備していても、レギュラーの使用をまったく考慮していない一部の
    最新エンジンの場合は、レギュラーの使用に耐えれるまで遅角したり、燃料増量をしない
    制御になっていますので、ノックセンサの無いハイオク指定エンジンと同様に、
    レギュラーガソリンの使用で重篤なダメージを受ける恐れがあります。
    なお、負荷を軽減して要求オクタン価を下げることも出来ますが、その場凌ぎでしかなく、
    エンジンが本来持っている能力は引き出せません。

 [ C ] ノックセンサを装備しているレギュラー仕様のガソリンエンジンへ、
    ハイオクガソリンを入れた場合。
  → 過負荷状態においてノック回避をする仕組みを備えたレギュラー仕様のエンジンは、
    レギュラーガソリン使用時に過負荷に対して点火時期を遅らせたり、燃料を増量したりして
    ノッキングの発生を抑えます。
    このようなエンジンにハイオクガソリンを使用すると、過負荷時に遅らされる点火時期や
    増量される燃料が最小限で済まされるので、過負荷時の出力低下を抑え、
    かつ燃費の向上が期待できます。

 [ D ] ノックセンサを装備していないレギュラー仕様のガソリンエンジンへ、
    ハイオクガソリンを入れた場合。
  → ノックセンサが装備されていないと、発生したノッキングに対して何ら対策されませんが、
    元々エンジンが低圧縮だったり、シリンダ径が小さくて要求オクタン価が小さいエンジンなどに
    おいては、レギュラーガソリン使用時にある程度負荷が掛かっても殆どノッキングが
    起こりません。
    そのようなエンジンにハイオクガソリンを使用しても、回避されるノッキングが無い以上、
    何も変わりません。
    高出力にもならなければ、低燃費にもならず、排気ガスも変化しません。

 …以上の通り、ハイオク指定にレギュラーを入れるにしても、「(A) 割り切れば代替と見做せる場合 (ただし、燃料の単価DOWNと燃費悪化で殆どチャラ)「(B) ちょっちヤヴァイ場合」があり、逆にレギュラー指 定にハイオクを入れるにしても、「(C) 若干のパワーアップと燃費向上が見込める場合」「(D) 何 も変わらず、燃料の単価が高い分単純に損になってしまう場合」があります。
 web上では何かと一括りにしてしまう傾向がありますが、これはキチンと分けて考えるべきでしょう。
2007年10月07日 クルマ関係Q&A
 ハイオクって燃え難いの? 02
【問】(1)ハイオクは燃え難いので燃えカスが発生し易く、それがスラッジになる。
 そのスラッジを洗い落とす清浄剤がハイオクに入っている。
 つまり、ハイオクに清浄剤が入っているのは、燃え難いからなんだ。

(2)ハイオクの混合気は燃えるスピードが遅いので、あるクランク角度の範囲でシリンダ内圧が定圧(あ る一定時間、高圧が持続する)となり、パワーが出る。
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 オクタン価が高いと何故自己着火し難くなるのか?

 それは、ハイオクを構成する炭化水素は、その構造の「鎖」が長いからです。
 ガソリンが燃焼する時、この「鎖」が熱で乖離して、炭化水素、炭素、水素となり、酸素と化合します。
 「鎖が長い方、熱乖離に必要なエネルギーが大きい」→だから、自己着火し難いのです。
 この点だけに限って考えると「ハイオクは燃え難い」と言えるのかも知れません。

 では、実際に点火された混合気の燃焼速度は、オクタン価によって違うのでしょうか?

 実はレギュラーとハイオクで差は殆どありません。

 何故かと言うと、燃焼が伝播する時、未燃焼混合気が触れる火炎のエネルギーが桁違いにバカでか いので、熱乖離がバンバン起こるからです。

 また、燃焼室においては、吸気時に発生した渦がピストンにぶつかって破砕された小さな渦となって存 在するため、混合気の燃焼がこの渦の速度に乗って火炎伝播速度が上がります。
 それもあって、稼動しているエンジン内におけるレギュラーとハイオクの燃焼速度に差はありません(あ っても測定器の計測誤差範囲内)
 したがって、当然のコトながら、稼動中のクランク角度に対してハイオクとレギュラーは殆ど同じ圧力変 化を示します。
 ですので、「ハイオクは火が点き難い」のであっても、「ハイオクは燃え難い」のではありません。

 ネットでググると、「ハイオクは燃え難い」とか「ハイオクは燃焼速度が遅い」と書かれたサイトのオンパ レードですが、真実は上述の通り。
 
 - - - 真実は多数決で決める物ではありません - - - 



 さて。

 「ハイオクを入れるとスラッジが溜まり易い」は単純に都市伝説です。
 ガソリンスタンドのニーチャンが文系脳のオッチャン・オバチャンに「ハイオクはレギュラーとどう違うの か?」を説明できると思います?
 分かり易い説明のためのキーワードが「清浄剤」なんですよ。

 「ハイオクを入れるとスラッジが溜まり易い」は、[ ハイオクに清浄剤が入っている ] → [ ハイオクは清 浄剤が必要 ] → [ ハイオクは清浄剤が必要なほどエンジンが汚れる ] という都市伝説発生サイクルな んですね(笑)。

 ついでに言っておけば、点火タイミングの違いも「熱の伝播スピードの違い」などではなく、単純に「要求 オクタン価の違い」でしかありません。
 理論点火タイミングで着火させるとノッキングが発生する場合に、点火タイミングを遅らせることでノッ キングが回避できますが、レギュラーはハイオクよりも多く遅角する必要があります。
 逆に言えば、理論点火タイミングで着火してノッキングの発生が無いのであれば、レギュラーもハイオ クも同じ点火タイミングです。



 ちなみに。
 ホントウに「ハイオクの混合気は燃焼速度が遅い」のであれば、二つの理由でハイオクはレギュラーよ りもパワーが出せなくなります。

《ひとつめの理由》
 ガソリンエンジンのノッキングとは、膨張圧力に押されたエンドガスの自己着火です。
 つまり、[ 膨張ガスの圧力伝播 ] が [ 火炎伝播 ] よりも速いからこそノッキングが起こるのであり、逆 に [ 火炎伝播 ] の方が [ 膨張ガスの圧力伝播 ] よりも速ければノッキングは起こりません。
 (バイクの指定ガソリンがレギュラーなのは、シリンダ内径が小さく、エンドガスに早く火が届くからです)

 もし、「ハイオクの混合気は燃焼速度が遅い」のであれば、同じシリンダ内径であっても、エンドガスに 火炎が伝播するのに時間を要すことになってしまいます。
 当然、[ 膨張ガスの圧力伝播 ] が [ 火炎伝播 ] よりも速くなり、ノッキングが起こり易くなってしまいま す。

 そうです。 「ハイオクの混合気は燃焼速度が遅い」なら、ハイオクは、自己着火性が低いにも拘らず、 稼動中のエンジンが容易にノッキングを起こしてしまう駄目燃料ということになるのです。

《ふたつめの理由》
 燃焼速度が遅くても定圧サイクルになりません。
 理論上のp-s曲線図は、理解し易いように、点火した瞬間に燃焼が終了して圧力が一気に上昇する曲 線を描きますが、実際は燃焼に時間を要します。
 そのため、実際は圧縮行程中に点火し、ピストンは燃焼して膨張する作動ガスを圧搾しつつ上昇する ことになります(上圧死点を僅かに超えた時に内圧がピークに達するタイミングで点火する)

 もし、燃焼速度が遅いのであれば、単純に圧縮行程の早いタイミングで着火しないと、内圧がピークに なるタイミングがズレてしまいます。
 つまり、燃焼速度が遅い=圧縮行程の損失が増える=パワーダウン なのです。

 ちなみに、ディーゼルエンジンは、着火性の問題で圧縮行程途上での燃料吐出が行えません(圧縮工程 中の早い段階で燃料を投与するとディーゼルノックが起こる)
 ほぼ上圧死点直前から燃焼室内へ燃料吐出します。
 膨張行程中のシリンダへ燃料を吐出するのですから、吐出時間≒燃焼時間となります。
 つまり、膨張行程中の容積変化に対して膨張ガスを追加する形となるので、高圧で定圧化し、高トルク が得られるのです。

 ただし、膨張行程中に遅れて吐出された燃料は、折角燃えて得た圧力がスグに排出されてしまいます (少しピストンを押しただけで排気行程になってしまう)ので、効率が良くありません。
 そのため、燃料増量でトルクを出すと燃費が著しく低下することになります。

 ちょっち余談だけど、↑は豆知識として覚えておいて損はないッスよ。 記憶の片隅にでも残しておいて ネ♪
2007年09月09日 クルマ関係Q&A
 荷重移動はローリングやピッチングによって起こる
【問】荷重移動と減衰力のあいだには車両のピッチング(ノーズダイブ・テールリフト)が関係しています。 (単なる傾きととらえてはいけません)
 重心位置よりもピッチング回転中心が下にあるため、ピッチングにより荷重移動が起こるのです。
 当然ながら、サスペンションが硬くピッチングが小さい場合には荷重移動も小さくなります。
 サスペンションが完全な剛体である場合は、ロールもピッチングも起こりませんが、接地面よりも車両 の重心のほうが上にあるので荷重移動が起こります。
 サスペンションがなくても、ブレーキをかけると後輪荷重が減り前輪荷重が増えるのです。
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【答】どこのサイトを参考にしたのかは知りませんが、単純に幾何学的な作用としての荷重移動にとっ て、ピッチング回転中心は関係がありません(もちろん、ロール軸も関係がない)。
 この理解に難しい理屈は必要ありません。
 「同じ車両でサスペンションスプリングをドンドン硬くしていったらどうなるのか?」を考えれば済む話で す。
 たとえバネレートが1ton/mmであっても、それは「完全な剛体」ではありません。
 したがって、バネレートが1ton/mmでも百ton/mmでもピッチングにより荷重移動が起こり、完全剛体に なった瞬間にピッチング以外の理由による荷重移動へシフトすることになります。
 オカシイでしょ、ソレは。


 もしかしたら、こう言いたいのかも知れません。
 「荷重移動は、接地面よりも車両の重心のほうが上にあるので起こり、ピッチングやローリングすれ ば、それが更に増える」んだと。
 まぁ、再三述べて来た通り、ピッチングやローリングによって重心位置が移動すれば、質量が偏るので タイヤに掛かる質量配分が若干変化します。
 また、重心の移動によって重心が高くなれば荷重移動量が増えます(ただし、重心が低くなれば荷重 移動量は減ります)。
 しかし、これらは重心の移動によって生じる現象であって、角運動であるピッチングやローリングの効 果ではありません。
 ただし、ピッチングやローリングの過渡状態(変動中)に於いて、その過重移動量は、変動量に比例し ます。  また、ピッチングやローリングに伴うサスペンションの動きがオーバーシュートしてしまった場合 (たとえば、本来ならサスペンションスプリングが5センチ縮む過重移動量なのに、勢い余って6センチ縮んでしまった場合など) は、オーバーシュートした瞬間だけ過重移動量が単純計算値を超えます。


 それに、「角運動であるピッチングやローリングの効果で荷重移動量が増える」と仮定すると、現実と の間に齟齬が生じます。

 別ページで説明した通り、雨の日のセッティングは、適切なサスペンションストローク量を確保するため (および路面追従性向上のため)にバネレートを下げます。
 そうすると当然のことながら、硬いバネレートの時よりも、角運動であるピッチング量やローリング量が 増えます。
 もし、ピッチングやローリングの効果で荷重移動量が増えるなら、雨の日のセッティングは進入のブレ ーキングで(硬いバネレートの時よりも)大きな荷重移動を起こすことになります。
 フロントタイヤの荷重が「より大」&リアタイヤの荷重が「より小」になってしまったら、旋回制動で容易 にスピンモードへ入るようになってしまいます。
 ということは、「角運動であるピッチングやローリングの効果で荷重移動量が増える」なら、雨の日のセ ッティングは、「バネレートを上げて荷重移動量を抑え、進入時の旋回制動でのオーバーステア傾向化を 防ぐ」が正解になります。
 オカシイでしょ、ソレは。
2007年08月14日 クルマ関係Q&A
 なぜサスペンションスプリングが柔らかいとトラクションが向上するのか?
【問】 殆どのクルマ関連サイトにおいて、さもそれが当然のように、「サスペンションスプリングが柔らかい (正しくは「サスペンションスプリングが作用するホイールレートが低い」)とトラクションが向上する」と書か れていますが、(質量の偏りを除いて)荷重移動はバネレートに依存しないんですよね?
 荷重移動量が同じなら発生する摩擦力も同じなのではありませんか?
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【答】 そうです。
 鏡のように平滑な理想路面であれば、サスペンションスプリングの硬さとトラクションは関係がありませ ん。
 しかし、実際の路面は細かな凹凸やうねり(アンジュレーション)がイッパイあります。
 柔らかいバネは、これら凹凸やうねりをいなします。

 少し具体的な話をしましょう。
 ガチガチのサスキットを組んだ走り屋仕様のクルマが、公道を走行中にヒョコヒョコを上下しているのを 目にしたことがあると思います。
 アレは、路面の凹凸やうねりに煽られて車体が上下しているのですが、当然のことながら、その間にタ イヤの接地圧がめまぐるしく変化します。
 接地圧がめまぐるしく変化するタイヤの限界は、接地圧が低くなった瞬間の摩擦力によって決まってし まいます。

 一方、柔らかいスプリングを組んだクルマは、路面の凹凸やうねりをいなすので、車体がヒョコヒョコ揺 れることなく安定して走行できます。
 この時、タイヤの接地圧は(幾らかは変化しますが)変化の幅が小さいので、摩擦力が安定していま す。

 サーキットは、公道と比べモノにならないほど凹凸やうねりが少ないのですが、「全く無い」ワケではあり ません。

 したがって、サーキット仕様は、バネを相当に硬くしても(少なくとも接地圧変化の点においては)弊害 が少ないのですが、それでもウェットコンディションでは接地圧の変化を嫌って柔らかいバネレートを選 択する傾向があるのです。